What’s EAST
MEETS WEST?

日本のポピュラー・ミュージックと、米国のジャズやポップスをはじめとする洋楽。戦前から、その二つは様々な形で交錯し、映えある大衆音楽を生んできた。昨年から始まった、<EAST MEETS WEST>はそんな両翼の有意義な重なりの“現在”を鮮やかに照らし出すフェスティバルだ。米国と日本のトップ・ミュージシャンが重なり合うハウス・バンドの華を持つ演奏のもと、まさに様々な文化と歴史を抱えた逸材たちが思うまま個性をアピールする。それは、地域性や世代を超えて共振し合う同時代音楽の可能性を示唆し、さらには音楽をする喜びや誉れを伝える。

2年目を迎える<EAST MEETS WEST 2020>は昨年の成功をふまえ、より興味深い陣容によるものとなる。まず、ハウス・バンドのドラマーにまとめ役のウィル・リー(ベース)の朋友であるスティーヴ・ガッドが参加するのは大きな要点。1970年代から多ジャンルに渡る名盤群の屋台骨を担ってきた、現音楽界きっての名ドラマーの真価が鮮やか提示されること請け合いだ。そして、彼らの演奏のもとフロントに立つシンガー達も確固たる個性を持つ人たちである。1960年代後半からマニアックな洋楽語彙と粋な日本情緒を重ねインターナショナルな名声もたっぷり得ている細野晴臣は、まさに<EAST MEETS WEST>の趣旨を体現するような存在だ。そして、ブラジルの天衣無縫なポップネスを世界に伝えるイヴァン・リンスや沖縄をルーツにアンドレ・ボッチェリとの共演曲も持つなど今を自由に泳ぐ夏川りみと、フィーチャーされるアーティストの幅はより広がった。また、全米1位曲「フランケンシュタイン」も持つエドガー・ウィンターはまさに米国ポップ・ロックの系譜を彩るレジェンダリーな担い手である。

1+1が2にも、3ににもなる音楽の魔法や、一期一会なライヴ・ミュージックの贅沢さも、<EAST MEETS WEST 2020>は端的に教えてくれるはずだ。オリンピック・イヤーの<EAST MEETS WEST>はより間口を広げて、かえがえのない音楽の自由を謳歌する。

(音楽評論家 佐藤英輔)